大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 平成4年(行コ)119号 判決 1993年2月24日

控訴人

津留憲二

被控訴人

陸上自衛隊第一後方支援連隊衛生隊長

被控訴人

陸上自衛隊第一師団長

右両名指定代理人

飯塚洋

井上邦夫

斎藤成雄

菅野静夫

有澤信彦

主文

本件控訴をいずれも棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

第一  当事者の求めた裁判

一  控訴の趣旨

1  原判決を取り消す。

2  本件を東京地方裁判所に差し戻す。

二  控訴の趣旨に対する答弁

本件控訴を棄却する。

第二  当事者双方の事実の主張は、原判決の事実摘示(原判決書「事実及び理由」二)のとおりであり、証拠の関係は、本件記録中の証拠目録(原審、当審)のとおりであるから、それぞれこれを引用する(略)。

理由

一  当裁判所も、控訴人の本件各訴えはいずれも不適法として却下すべきであると判断する。その理由は、次のとおり付加するほかは原判決の理由(原判決書「事実及び理由」三)に説示するとおりであるから、これを引用する。

1  原判決書二枚目表末行の冒頭から同裏一行目の「認められるので」までを「本件裁決書が平成二年七月六日に控訴人に送達されたことは当事者間に争いがないから」に改める。

2  原判決書二枚目裏六行目から同三枚目裏六行目までを次のように改める。

「控訴人は、本件裁決に対し、自衛隊法施行令八三条一項に基づいて再審の申立をしている。しかしながら右の再審に関する規定は、審査請求に関する規定を準用してはいるものの、裁決に対してさらに再審査請求をなしうることを定めたものではなく、一定の特別の事由がある場合に限って防衛庁長官に対し当該事案を再審に付するよう求めうることを定めているにすぎないから、右再審の申立をもって行政事件訴訟法一四条四項に定める審査請求に当たるとすることはできない上、成立に争いない乙第二、三号証によれば、右再審の申立は不適法として却下されているのであるから、右再審の申立によって出訴期間が左右されるものではない。」

二  以上のとおりであるから、原判決の結論は相当であって、本件控訴は理由がないからこれを棄却することとし、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 上谷清 裁判官 滿田明彦 裁判官 亀川清長)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例